薬学生から医学生、その先へ

薬学部から医学部に学士編入した医学生によるブログ。専門はがん幹細胞。アカデミックを目指しながら、事業にも挑戦中。

売れればそれでいいのか。

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 僕は食に関わる事業を立ち上げています。

食の事業は、飲食店やエンタメ要素、ヘルスケア要素など多種多様なアプローチがある中で僕は、ヘルスケア寄りの食の事業をしています。

事業を立ち上げてから、食とヘルスケアという領域に興味をもって調べるようになりました。

その中でわかったことは、サイエンスをもとに効能を明記している食品はけっこう少ないということ。

例えば、「〇〇配合!□□に効く!」みたいなキャッチコピーの製品があったとする。

確かにその製品に〇〇の成分は入っているのだろう。

それは原材料を見ればわかる。

でも、その成分は、人体の仕組み上目的の部位には届かなかったり、消化管でバラバラにされたり、その効果を得るためには何kgそれを食べればいいのかという食品もある。

さらに、その食品を食べた結果を評価するのは、そんなに容易なことではないです。

人はひとりひとり環境要因も遺伝要因も全てがなにもかも異なる。

本当にその食品を摂取したことによる効果なのかどうかを検証しようと思ったら、相当の母数の試験者数と厳密にコントロールされた条件のもとでの、長期間の試験が求められます。

 

僕のTwitterに記載したこのリンクの記事を読んで欲しいです。

 

この記事にはこう記載されています。

この研究では45~74歳の日本人92915人(うち、男性42750人)が対象となり、大豆食品の摂取量に応じて5つのグループに分けられました。大豆食品の摂取量が最も低い集団を基準として、各摂取量のグループごとに死亡のリスクが見積もられています。

なお研究結果に影響しうる年齢、居住地域、喫煙・飲酒状況、体格指数(BMI)、運動量、糖尿病の既往、もしくは糖尿病薬の服用、高血圧治療薬の服用、健康診断の受診有無、閉経後の状態、女性ホルモン剤の投与歴、総エネルギー摂取量、緑茶、コーヒー、魚、肉、果物、野菜の摂取量について、統計的に補正をして解析しています。

つまり、大豆食品を積極的に食べている集団とそうでない集団で、研究結果に影響を与えそうな背景因子を統計的に調整することで、大豆と死亡リスクの直接的な関連性を検討しようとしているわけです。

ここまで厳密に条件設定をしても

とはいえ、この研究では糖尿病と高血圧以外の病歴は考慮されておらず、統計的な背景補正は十分とは言えないでしょう。また食品の摂取頻度は自己報告に基づくため、実態とかけ離れている可能性もあります。このあたりが本研究の手法上の限界といえそうで、示された結果が純粋な因果関係にあるかどうかについては議論の余地があります。

(引用元 https://cmj.publishers.fm/article/21747/)

という指摘が入ります。

   

つまり、食品の効果の検証はそんな簡単なものじゃないのです。

しかし、ビジネスはサイエンスではないので、厳密に証明しなくても咎められることはほぼありません。

GABA入りのチョコレートを食べたらよく眠れると言い切り、消費者が欲しいと思ったらそれでオッケーなのです。

でも、それは美しくない。

少なくとも将来医師になる、そして現在科学研究をしている僕にはそんな売り方はできない。

 

昨今のコロナウイルスの情勢の中でこんな記事もはやりました。

https://univ-journal.jp/30640/

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あおさのりがコロナウイルスに効くとのこと。

この記事を見た瞬間に、科学的な裏付けを徹底的に調べましたが出てこず。

結局、大学もプレスリリースを削除する始末です。

https://www3.chubu.ac.jp/research/news/25840/

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まあ、そうなるだろうなと思いました。

 

医療者が食品ビジネスに介入すればするほど摩訶不思議な世界がたくさん見えてきて、なかなかにやりがいのありそうな世界だなと最近感じております。

最近のひとこと

これは本当に大事なことだと思います。

物事には全てそうなるべくしてなっている理由があります。

特に人間関係はそうだと思います。

自戒の念も込めて。